【熱中症について】
周囲の気温の上昇や過度の運動により、体温が上昇して発生する健康障害のことです。
脱水症が起こったり電解質(ナトリウム、カリウムなど)のバランスが崩れたりすることで発症します。
・青少年と中高年に多い
青少年では運動が原因になりやすい
中高年では労働環境や生活環境の問題から起こるケースが目立つ
女性より男性に多い
・熱中症は以下の4つに分類される
熱失神:めまい、一時的に失神する、顔面が真っ青になる(顔面蒼白)
熱けいれん:筋肉痛、手足がつる、筋肉が痙攣する
熱疲労:全身が重だるい(倦怠感)、頭痛、寒気、嘔吐、集中力や判断力が低下する
熱射病:発熱、意識障害(呼びかけや刺激に対して反応が鈍い)、言動が不自然、ふらつく
・運動中などに熱中症が発生したら?
「冷却」と「水分補給」が何よりも重要
運動を中止し、涼しいところへ移動する。(風通しの良い日陰、クーラーの効いている室内で安静に過ごす。足を高くして寝かせる)
衣服をゆるめ体を冷やす
塩分を含んだ水分の摂取を促す。水分補給のため「経口補水液(OS-1など)」や「スポーツ飲料に食塩を少量加えたもの(1Lに対して食塩小さじ1/2程度)」を摂取させる
回復した後もすぐに運動は再開しない
・救急車は呼んだ方がいいの?
軽い熱中症であれば「冷却」、「水分補給」で回復することが多い
救急車を要請するべきなのは以下の場合
「冷却」と「水分補給」をしても軽快しない場合
熱射病の症状が出ている場合
救急車の到着を待つ間も、積極的に水や濡れタオルなどで体を冷やす
【熱中症の症状】
・症状は、その重さに生じて3種類に分けられます。
I度(軽度)
めまい
筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
II度(中等度)
頭痛
気分の不快(吐き気、嘔吐)
全身のだるさ
III度(重症)
意識障害
全身のけいれん
活動性の低下
高体温
【熱中症の検査・診断】
・体温測定:熱がないかを調べる
・血液検査
大量の発汗でミネラルバランスが狂っていないかを調べる
脱水で腎臓の機能が悪くなっていないかを調べる
【熱中症の治療法】
・I度の治療
ナトリウム含有液の経口摂取(口から摂取する方法)
手軽に手に入るものとしては、市販のスポーツドリンクなど
・II度の治療
経口摂取あるいは輸液(点滴)による塩分と水分の補給
血液検査の異常を伴う場合は入院治療を行う
・III度の治療
原則として入院した上で、点滴治療
重症の場合には、集中治療室で治療を行う
輸液による水分・塩分補正
冷却により体温をより早く40℃以下にする
重度の熱射病では集中治療(人工呼吸器や血液透析など)を行う
・予防、再発予防方法
高温高湿度での運動や労働を避ける
水分を十分に補給する
水分だけでなく塩分も補給する
通気性のよい涼しい格好にし、直射日光があたる場合は帽子を着用する
体を冷やす場合には、首や脇、足の付け根など動脈が近い場所を冷やすと良い
室内で過ごす際にも空調機を使って部屋の温度を下げ適温を保つようにする
ここ最近は気温の寒暖差が激しく体調を崩しやすいですね。
明日は運動会を控えている方も多いのではないでしょうか。
皆様、お体ご自愛下さいませ。